ポート・タウン・ブルース

 麻生俊平プロデビュー作。麻生俊平ファンの間でも幻の作品として探している人が多い作品。現段階では入手するにはこまめに古本屋を巡るしかない。かく言う私も、BOOK OFF幌北店でたまたま100円で出ていたのをゲットしたという遍歴を持つ。ちなみに、このときは立て続けに3冊くらい同じ古本屋で見かけたのだが、今から考えるとちょっと異常な光景だった。
 それはともかく、とても男くさい小説で、恐らく当時から富士見ファンタジア文庫の中では異彩を放っていたと思われる。個人的にはちょっと読みにくかったが、十分に面白い作品だと思っている。イラストは中村亮氏。

ポート・タウン・ブルース
1991年3月20日初版 ISBN4-8291-2389-3 定価470円(本体456円) 265P

 惑星カナベラルのポート・タウン――人類が異邦人(マーズィー)との戦争に敗れるまで、この街は宇宙への玄関口であった。
 敗戦から四年、人々は心の傷も癒えぬまま、日々の生活をおくっていた。
 ある日、この街に住む私立探偵クドウ・リュウスケは、エリーナ・スギノと名乗る女性から、いまだ戦場から戻らぬ恋人の捜索を依頼される。
 彼女の恋人、サイラス・ベンダーの足どりを追うリュウスケは奇妙な事実と怪異な事件にでくわした。この仕事のウラには何があるのか!?
 期待の新人が描く本格近未来ハードボイルド・アクション!br>  第二回ファンタジア長編小説大賞準入選作。(表紙折返しより)


 復刊を望む声も少なくないが、そもそもザン剣やミュートスすら入手困難、挙句の果てには新刊であるはずのヴァーサスですらあの状況だと、当分幻のまま、であろう。

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