彼は、大学では鉄道同好会のみに所属しており、その他のサークル活動は行っていない。彼自身、他の、たとえばアニ研や漫研への入会も考えたことがなかったわけではないらしい。結局、入会しなかったわけだが、その理由の中に、鉄研でその他の趣味(2次元の世界)についても、かなり事足りていた、という理由もあったようだ。ここで、アニ鉄という存在が浮上してくる。
アニ鉄。別に正確な定義があるわけではない。彼が勝手に作った言葉のようだ。読んで字のごとく、2次元の世界と鉄道をこよなく愛する人種のことを指し、鉄ちゃん(鉄道ファンの愛称)のうち、30%くらいの割合で存在するのではないか、と彼は言っている。確かに、彼の話からすると、北大鉄研もその例外ではなく、構成要員のうち20〜30%の人間が程度の差こそあれそのきらいが見られる。ただ、2次元の世界の人々の中に占める鉄ちゃんの率、というのはそれほど高くはないらしい。これは、鉄道の趣味と2次元の趣味との本質的な差に起因していると思われる。男は、その大多数が小さいころに鉄道にあこがれる傾向がある。(鉄道というものが身近に存在する場合)鉄ちゃんという人種は、基本的にそのころの嗜好がそのまま残ってしまった、よく言えば年季の入った、悪く言えばガキのまま大きくなった人間がほとんどであり、大きくなってから鉄道の趣味の世界に入った、という人間の話はあまり聞かない。
一方、2次元の世界への進入というのは、最近特に顕著に見られる傾向だが、あまり年齢に依存しないらしい。よって、鉄道の世界への進入よりは比較的容易に行われることが多い。
もっとも、この2つの要素だけでは、アニ鉄率の高さは説明できない。これを説明するにはもっとほかの説明が必要だろう。おそらく、もともとヲタク気質な上に、比較的簡単に進入しやすい2次元の世界にあっさりと転落してしまい、そのまま持ちまえのヲタク気質をむき出しにして突っ走ってしまう人間が多い、ということであろう。
なんにせよ、一言で片づけるとすれば、「バカばっか」ということであろうか…。